- 作者: 竹内佑
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/10/18
- メディア: 文庫
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「想像してみて。他の喫茶店に行って、常連客と仲良くなるとするわね。すると一人が訊いてくるの。あなたいつも手袋しているわね。外さないの? ってね。そこで私はちょっと困りながらも手袋を外して、こう答えるのよ。なるべく人前では外さないようにしているの。だって恥ずかしいんですもの」
お婆さんは手袋を外した手の平をこちらへ開いて見せる。
両方の手の平の真ん中に、大きな傷跡が一つずつあった。
高校生の迅太は,夜の小金井を散歩しているときに見てはいけない場面を目撃してしまう.殺し屋たちが集まるカフェに連れてこられた迅太は,命乞いとしてカフェのウェイターをすることになる.
期限は一週間.助かるための条件は,時給900円のカフェで300万円を稼ぐこと.殺し屋や何でも屋の集うカフェに軟禁された彼の明日はどっちだ.ノワールなのかなと思って読んでいったら,だんだんと違和感が強くなっていく.というか,登場人物紹介の時点で違和感があるとは思っていたんだよな.仮想通貨やパートナーシップ制度といった現代的なものを取り入れているのはいいと思うんだけど,ストーリー自体は最終的にどっちつかずになってしまった印象.