紙城境介 『継母の連れ子が元カノだった7 もう少しだけこのままで』 (スニーカー文庫)

そこにはまだ、ゴールテープは張られていない。

家に帰っても、今日が終わっても、きっとどこにも張られていない。

それでも私は、一緒にゴールしたいのだ。

どこにあるかもわからないそれを、他の誰でもないあなたと。

秋。文化祭も終わり、生徒会に入った結女は、新しい日常を迎えていた。会長の紅鈴理をはじめとした生徒会の先輩たちに、恋愛のアドバイスを請う結女。次のイベント、体育祭は近づきつつあった。

先輩たちの恋バナを聞いたり、いっしょにお風呂で洗いっこしたり、ノーブラで体育祭に参加したり。青春小説であるのと同じくらい、性春ラブコメの味が強い巻だった。お約束に忠実に描きつつも、ちゃんと今までの巻と同様の落ち着いたトーンで、ちゃんと青春小説になっているのはさすが。物語としての一貫性を感じるし、上手い。箸休めに近い巻だったかもしれないけど、良かったです。