もしかしたら世界で一番、幸せなのかもしれない。誰も不幸ではないのかもしれない。
けれどその幸福に浸っている自分が、ふとした瞬間ひどく卑怯者に思えるのだった。
幼なじみの椿木麗良が大好きな皇凛華、そのふたりを取り持とうと奮闘する男、矢代天馬、そんなふたりに好意を寄せる椿木麗良。そんな三角関係が続いていたある日、麗良が生徒会長選挙への立候補を決める。ふたりをくっつけるチャンスと見た天馬は、凛華を応援演説に推薦する。
生徒会選挙にライバル登場、そしてお互いを思っての行動がお互いを追い詰める。帯に曰く、「ラノベ史上最も幸せな三角関係ラブコメ」の第二巻。それぞれどこか認識がずれつつ、互いが互いを認め合い想いを寄せる、悪役のいない三角関係。ひどく鈍感なように見える天馬も、おそらく自覚的なんだろうな。どういう形になるとしても全員幸せになってほしいな、と優しい気持ちで素直に応援したくなる。とても良いラブコメだと思います。