林星悟 『ステラ・ステップ2』 (MF文庫J)

「……レイン……あんたは……アイドルよ……!」

「う、うん……そうだよ」

「アイドルが……道具が。持ち主を無視して勝手な真似しないで……!」

戦舞台(ウォーステージ)に敗北したレインとハナは「砂の国」から「鉄の国」に移籍することになる。選抜メンバーの「(クロガネ)組」に配属されたレインと、候補生の「(アラガネ)組」に配属されたハナ。離れ離れにされたレインは、苦悩しながらも、かつての敵国のために道具として、兵器として、歌い踊り続けていた。

自由を奪われ、感情を捨てて、少女たちは〈兵器〉(アイドル)となる。あまりにあんまりな「特訓」に、強烈な精神論を叩き込むレッスン、恐怖でアイドルを、国を支配する総帥。読んでいてどことなく「魁!! 男塾」を思い出した、シリーズ第二巻。そもそも、兵器でもありエネルギーでもあるアイドルは、人間である必要はあるのだろうか? 人間でなければできないことなのだろうか? というのを、オーバーなくらい抑圧的に、閉塞感をもって描いている。この閉塞感は果たして打破できるものなのだろうか。続きを待ちたいと思います。

kanadai.hatenablog.jp