谷山走太 『終末世界のプレアデス 星屑少女と星斬少年』 (電撃文庫)

誰かにすがっても、どれだけ否定されても、無謀だと笑われても、構わない。

僕は姉さん以上の星輝剣(スターライト)の使い手になりたい。

姉さん以上でなければ、僕が生きている意味はないのだから。

はるか昔。空から落ちてきた星屑獣たちによって、人類は地上を追われ、星浮島(ノア)に生活の場を移していた。星屑獣との戦いで命を落とした姉を継ぎ、地上を取り戻す。英雄志望の少年、リュートの前に、空から一人の少女、カリナが降ってくる。

滅びつつある世界、英雄になりたい少年と星から落ちてきた少女のボーイ・ミーツ・ガール。一直線が故に近視眼で、まったく融通が利かない男の子の失敗と成長を描く。王道、あまりにも王道。不器用で自分勝手、未完成な子供らしい視点に、よく言えばじりじり、悪く言えばイライラもさせられたかな。王道のテーマに乗せた、等身大の少年の物語だったと思います。