「そういうわけじゃないよ。彼の罪を庇うつもりも毛頭ない。でも、ここであたしたちが彼を殺すことは正義じゃない」
渚は一歩も引かず、こう主張する。
「正義って多分、これからの未来を考え続けることだから」
「私たちは、最後のその一瞬まで正義であり続けよう」
悪から生まれる人々と世界を前に、英雄は疲弊し、正義の味方は孤独を抱える。そのままMCU編に突入してもおかしくなさそうなシリーズ11巻。いいと思ったものを全部ごちゃっと詰め込んだかのような、小さくまとまる気のない気概を感じられる。勢いをそのまま完成させられたら、稀に見る大作になる予感はある。突っ走ってほしい。