2022-01-01から1年間の記事一覧

澱介エイド 『SICK ―私のための怪物―』 (ガガガ文庫)

SICK -私のための怪物- (ガガガ文庫)作者:澱介エイド小学館Amazon 「本当の恐怖に、振り切れた感情っていうものに、道理や美学なんて存在しないんだよ」 精神に寄生し、恐怖症を増幅させる概念生命体、フォビア。ひとの精神に潜入できる異能を持つ叶音…

枯野瑛 『砂の上の1DK』 (スニーカー文庫)

砂の上の1DK (角川スニーカー文庫)作者:枯野 瑛KADOKAWAAmazon 「……アルジャーノン」そいつは、頷いた。「私は、アルジャーノン」何度も、同じ言葉を繰り返している。相変わらず表情らしい表情は見えないが、どことなく嬉しそうにも見えた。 いわゆる産業ス…

深見真 『二世界物語 世界最強の暗殺者と現代の高校生が入れ替わったら』 (エンターブレイン)

二世界物語 世界最強の暗殺者と現代の高校生が入れ替わったら作者:深見 真KADOKAWAAmazon ――あれは最高の世界であり、最悪の世界だった。 アトランテラに住まう殺し屋、アベル・グランジ。現代日本の高校生、久住海斗。ある日、目が覚めると、ふたりは人格が…

立川浦々 『公務員、中田忍の悪徳4』 (ガガガ文庫)

公務員、中田忍の悪徳 4 (ガガガ文庫)作者:立川浦々小学館Amazon 「俺たちは認めねばならない。この世界には他人の足を引っ張り、誰かの嫌がるさまを喜びとし、私利私欲を満たすことに執着する人間が、確かに存在すると。俺たちはその存在すらも受け入れ、…

人間六度 『永遠のあなたと、死ぬ私の10の掟』 (メディアワークス文庫)

永遠のあなたと、死ぬ私の10の掟 (メディアワークス文庫)作者:人間 六度KADOKAWAAmazon あなたの体は決して老いることはない。でもあなたの心は、一緒に老いることができる。 平成の終わりごろ。大学生の真昼は、床無霧人という青年と出会い、あっという間に…

町屋良平 『坂下あたると、しじょうの宇宙』 (集英社)

坂下あたると、しじょうの宇宙作者:町屋 良平集英社Amazon おれの詩は異物か? おれのポエジーは不純?お前の混じりっけのない沈黙に比べたら、不純なんだろうな。だったらおれは、おれのやりかたで純粋に詩になってやる。お前がいま、文学になっているのな…

蒼井祐人 『エンド・オブ・アルカディア2』 (電撃文庫)

エンド・オブ・アルカディア2 (電撃文庫)作者:蒼井 祐人KADOKAWAAmazon 「……死ねないのに、どうして戦えるの? 何のために戦っているの? それって命よりも大切なことなの?」 《アルカディア》の破壊から二ヶ月。軍産複合企業テレサから逃れた秋人とフィリ…

ヰ坂暁 『舌の上の君』 (集英社)

舌の上の君 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)作者:ヰ坂暁,しおん集英社Amazon 異世界はいつまでも異世界ではないのかもしれない。別な世界から放りこまれた俺もその内側に取りこまれ、いつしか順応していく。異郷の空気や水、食い物の味に慣れるように。俺が…

八目迷 『琥珀の秋、0秒の旅』 (ガガガ文庫)

琥珀の秋、0秒の旅 (ガガガ文庫 ガは 7-5)作者:八目 迷小学館Amazon 「弱者の共感では、強者の正論に勝つことはできない。……けどな、カヤト」駅に着く。僕たちは足を止めて向かい合った。「強くならなきゃ生きていけないなら、それはこの世界が間違ってる。…

鶴城東 『衛くんと愛が重たい少女たち』 (ガガガ文庫)

衛くんと愛が重たい少女たち (ガガガ文庫)作者:鶴城東小学館Amazon なんならぼくが誰かに好意を向けることを、気持ち悪いとまで言ってくる。はっきり確認を取ったわけじゃないけど、凛は、ぼくから「性欲」の匂いがするのがとにかく嫌なんだろう。そんな凛に…

新八角 『チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日』 (電撃文庫)

チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫)作者:新 八角KADOKAWAAmazon 「雪降りそう」姉が漏らしたその言葉通り、この時期に気仙沼で雪が降るのは珍しいことではなかった。そして、やはり姉の言葉通り、そんなクソ寒い日に、外に出るべ…

宮澤伊織 『神々の歩法』 (創元日本SF叢書)

神々の歩法 (創元日本SF叢書)作者:宮澤 伊織東京創元社Amazon 「新しい敵が現れたのならなおさらだ。ミスター・マッケイ、ささやかながら忠告しますがね、ニーナの機嫌を損ねないほうがいいですよ」「脅すつもりか?」「八歳の女の子を怒らせるのは実に簡…

柞刈湯葉 『まず牛を球とします。』 (河出書房新社)

まず牛を球とします。作者:柞刈湯葉河出書房新社Amazon 「アルバムなんて概念は音楽をCDで売っていた時代の名残であって、今は好きな曲をプレイリストにして聴くものだよ」と同僚の男性は言う。そいつは毎日スピーカーに、「今日の気分に合った曲」と言って…

ヰ坂暁 『世界の愛し方を教えて』 (講談社タイガ)

世界の愛し方を教えて (講談社タイガ)作者:ヰ坂 暁講談社Amazon 有沢ニヒサは異世界人だ。俺が一番愛した女優・有沢アテナを追い出す形でこの世界へ現れた。 映画を愛し、映画監督の父と世界を憎む高校生、灰村昴は、有沢ニヒサが踏切に飛び込むところに出く…

手代木正太郎 『鋼鉄城アイアン・キャッスル2』 (ガガガ文庫)

鋼鉄城アイアン・キャッスル (2) (ガガガ文庫 ガて 2-15)作者:手代木 正太郎小学館Amazon とうとうと、ただ、とうとうと流れる時代の奔流の中、舵を手に船出したばかりの松平竹千代は、果たして流れに翻弄される木の葉に過ぎぬのか? はたまた濁流に逆らい泳…

髙村資本 『恋は双子で割り切れない4』 (電撃文庫)

恋は双子で割り切れない4 (電撃文庫)作者:高村 資本KADOKAWAAmazon 悪気のない、何気ない一言だったからかも知れない――だから、余計に辛い。ねぇ――そういう意味じゃないよね? 神宮寺姉妹からの申し出を断れない。純はそれが間違った優しさだと知っていた。…

四季大雅 『わたしはあなたの涙になりたい』 (ガガガ文庫)

わたしはあなたの涙になりたい (ガガガ文庫)作者:四季大雅小学館Amazon 僕は涙を流した。泣きながら、母さんのお腹に抱きつき、言った。「痛いでしょう……お母さん、痛いでしょう……」お腹から聞こえるくぐもった音で、母さんも泣いているのがわかった。首の後…

新馬場新 『サマータイム・アイスバーグ』 (ガガガ文庫)

サマータイム・アイスバーグ (ガガガ文庫)作者:新馬場新小学館Amazon 海からの風が地面を滑ってくる。きつく冷やされた潮風が肺に流れ込む。視線の先、逃げ水は海に還り、水平線の両端は空の紺碧に押しつぶされている。その中央には、見慣れぬ白。幼い頃より…

紙城境介 『継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない』 (スニーカー文庫)

継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない (角川スニーカー文庫)作者:紙城 境介KADOKAWAAmazon 「きみは人一倍聡いのだろう。だからその歳で、早くも気付いてしまったんだ――自分の幸せが、『家庭』の形をしていない、ということに」 季節はクリ…

香坂マト 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います5』 (電撃文庫)

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います5 (電撃文庫)作者:香坂 マトKADOKAWAAmazon 「アリナさん、俺、変なこと聞くんだけどさ」ジェイドも自信のない声で、表情の端々に不安の色を滲ませながら、こう言った。「もしかしてこ…

メソポ・たみあ 『刻をかける怪獣』 (スニーカー文庫)

刻をかける怪獣 (角川スニーカー文庫)作者:メソポ・たみあKADOKAWAAmazon 闘争心、破壊衝動、怒り、そして渇くような殺意――。それらが心を染め上げた時――俺の全身は、人であることを捨てた。『――行くぞ、破壊の怪獣。この“刻の怪獣”が、あの時の無念を晴らす…

三月みどり 『同い年の妹と、二人一人旅』 (MF文庫J)

同い年の妹と、二人一人旅 (MF文庫J)作者:三月みどりKADOKAWAAmazon こうして、誰かと一緒に観光するのって初めてなんだよな。そして……それは不思議なことにそんなに嫌じゃなかった。 バイト代で一人旅をすることが趣味の高校生、月島海人。ある日、父が再婚…

月見秋水 『失恋計画と初恋計画 キミとの恋は、もう失敗しないから』 (MF文庫J)

失恋計画と初恋計画 キミとの恋は、もう失敗しないから【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:月見 秋水KADOKAWAAmazon ああ、楽しいな。彩葉ちゃんと一緒に恋愛術を学んで、お洒落をして、互いの恋を応援する時間が、とても愛おしい。だけど、思えば私たちの壮大…

小川哲 『地図と拳』 (集英社)

地図と拳 (集英社文芸単行本)作者:小川哲集英社Amazon 「君は満州という白紙の地図に、日本人の夢を書きこむ」 なぜこの国から、そして世界から『拳』はなくならないのでしょうか。答えは『地図』にあります。世界地図を見ればすぐにわかることですが、世界…

白金透 『姫騎士様のヒモ2』 (電撃文庫)

姫騎士様のヒモ2 (電撃文庫)作者:白金 透KADOKAWAAmazon 申し遅れたが、俺の名はマシュー。昔は『巨人喰い』(ジャイアント・イーター)なんて呼ばれた冒険者だった。色々あって力を失い、放浪の末にこの『灰色の隣人』(グレイ・ネイバー)に流れ着いた。今の…

伊崎喬助 『董白伝 ~魔王令嬢から始める三国志~5』 (ガガガ文庫)

董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 5 (ガガガ文庫)作者:伊崎喬助小学館Amazon 「俺と異民族のガキが似てる? 半分羌族の親から生まれたお前は知らねェんだろうけどな、種類の違う人間同士には越えられない一線があんだよ! この山みてェに、山ン中の桃の…

カミツキレイニー 『魔女と猟犬3』 (ガガガ文庫)

魔女と猟犬 3 (ガガガ文庫)作者:カミツキレイニー小学館Amazon 「僕たちは聖職者だからね」と。確かに彼は、いつだって清潔感に満ちていた。どんなに汚いことをしても、不思議なことにその白い法衣には、返り血一つついていない。ずっと彼をそばで見ていて…

二月公 『声優ラジオのウラオモテ #07 柚日咲めくるは隠しきれない?』 (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #07 柚日咲めくるは隠しきれない? (電撃文庫)作者:二月 公KADOKAWAAmazon 「……わたしも、声優になれるのかな」呟いた言葉は、本当に思いつきだ。なんとなくの、深い意味のない独り言。けれど、それはどうしようもないほどの興奮をも…

周藤蓮 『明日の罪人と無人島の教室』 (電撃文庫)

明日の罪人と無人島の教室 (電撃文庫)作者:周藤 蓮KADOKAWAAmazon 「そう、『明日の罪人』というのは、技術に裏付けられた最も強い孤独の定義だ」殺されたくないと思わないから、殺す。盗まれたくないと思わないから、盗む。価値観からの隔絶。頭で考えても…

夏目純白 『純白と黄金2』 (MF文庫J)

純白と黄金2 (MF文庫J)作者:夏目 純白KADOKAWAAmazon 「ヤンキーの実在性を知ることは、己を高みに導くことに繋がる」「……あ?」「ヤンキーとは何か。なぜ天は人の上にヤンキーを造ったのか。知りたいと思わないか?」「研究し続ければ、その天ってやつが教…